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シープ君@たまにしーぷくん。
年齢:
34
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性別:
男性
誕生日:
1989/07/16
職業:
留年生。
趣味:
ギャンブル、遅寝遅起き。
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これは2chの「文才無くても小説書く」スレに投下した作品です。
少し長いですが、思いのほかよくかけたかな、と思うのでよければ読んでください^^

ぼくside. 

ミカン人形をご存知だろうか。
指にぷすっと指したみかんに、顔を書いただけのお粗末なものなのだが、これがなかなか可愛い。
そして、無邪気に指にみかんをさしている目の前の彼女はぼくの娘、かりんである。
ただでさえ可愛いミカン人形が愛しいわが娘の可愛い指にささっているわけだ。
恐ろしく可愛い光景が目の前に繰り広げられていた。
そんな幸せいっぱいの休日の昼下がりを私と娘は堪能していた。
外は快晴。歳が明けてちょうど1ヶ月の今日は、何か楽しいことがおきそうな予感をさせるほど気持ちのよい日だ。
「とーともみかんどぅーぞー」
みかんを受け取った私はマジックで顔を描いた。
「とーと、これだぁれ?」
「これはねー、うーん・・・しがないサラリーマンの鈴木さんだよ」
「だれそれー!変なのー!」
娘はケラケラと笑い、「すじゅきさん、こんにちはー」と舌足らずにいった。
「よし、じゃぁ鈴木さん、そうちゃーく!」
ぼくはミカンを指にさした。
その瞬間、信じられないことがおきた。
ミカンが、正確にはミカンに書いた顔が動いたのだ。
ぼくは一瞬見間違いだと思い、目をこすってみた。
もう一度ゆっくりミカンを覗き込むと、やっぱり微妙に動いている。
気持ち悪くなったぼくは、とっさに指にささっているミカンをはずした。
その瞬間、このミカンはあろうことか、言葉を発したのだ。
「あ・・・どうもこんにちは」
ぼくはこの妙に律儀なミカンを前に、人生初めての失神を体験した。
 
 すずきside.
あ・・・どうも、こんにちは。私は鈴木と申します。
地方の工場でサラリーマンをしています。
今日は休日なのに仕事が終わらないため出勤していました。
この不景気な世で、忙しくて猫の手も借りたい会社に勤めていることは、とっても素晴らしいと思うのですが、
いかんせん、この会社は人使いがあらすぎます。
今日は、私はお昼を食べたあと、仮眠をとろうと思い、デスクに突っ伏していました。
突っ伏していたのですが・・・目が覚めると知らない人のお宅でした。
目の前には知らない男性と、女の子。意味が分かりませんが、とりあえず挨拶はサラリーマンの基本です。
「どうも・・・こんにちは」
そう言うなり目の前の男性は白目を剥いて倒れちゃいました。
これはいけない!私は寝ぼけてきっと粗相をしてしまったに相違ありません。
もし、相手が取引先の方では大変なことになる。それ以前に、失神してしまっているのだから、すでに大変なことになっています!
「だ、大丈夫ですか!?」
私は駆け寄ろうとした。のだが、体が動きません。
どうもテーブルの上に寝そべっているようなのだが、全身の自由が利かないのです。
「みかん!みかんしゃべってる!」
というと、気絶した男性の反対側に座っていた女の子は私を持ち上げました。
大の大人が、子供に遥か高く持ち上げられたとき、多分こうなることうけいあいです。
「うぎゃぁ!」
奇声を発する私。対象にきゃっきゃ、と楽しそうな彼女。
1分ほど振り回されて、ようやくわれに返ってきました。
そして今の現状を知ったのです。
テーブルの上の手鏡に映った私は・・・みかんでした。
「なんだ、夢かぁ」
私は、半分夢じゃないと確信しながらそういったのでした。
 
 ぼくside.
背中が痛い。
下にはフローリングの床、上にはタオルケットがあった。
おでこの上には冷たいタオルまでおいてあった。
そういえば・・・気絶したんだっけ。ぼくはむくっと起き上がると、時計は3時を指していた。
「意外と長い時間気を失っていたんだな」
「あ、お気づきになられました?」
みかんがそう言った。
ぼくはもう一度気絶した。
…と思ったけど、今度はなんとか耐えた。この頑張りは称えて頂きたいほどだ。
「あの・・・君は・・・」
「あ、すみません。私は○×産業の鈴木と申します。名刺がなくて申し訳ありません」
鈴木と名乗ったみかんはお辞儀をした。ように見えるが実際は私の娘がお辞儀をさせた。
「私も何がなんだか分からないのです。
今朝は会社に出勤したのですが、お昼を食べて少し仮眠を取っていたらこうなっていました」
鈴木・・・そういえば、ミカン人形を作ったときにそう名付けたような気がする。
もし、その鈴木と彼の名前である鈴木に関連性があるのなら、いやきっと関連性があるのだろう。
「しかし…困りました。貴方が倒れている間、いろいろしてみたのですが、やっぱりみかんなのです」
「は…はぁ」
「かりんちゃんの指に入れてもらって、初めて移動ができるくらいです」
「へ、へぇ」
「何か事情をご存知ありませんか?」
ぼくは彼に今日のお昼のたわいも無い出来事を話して聞かせた。
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